|
■仲間がどこかへ行ってしまう。抱えきれない不安が悪夢となり、目を覚ます。
そこはまたも、見慣れない場所……。
ここはパラダイムシティという街。雨の中で倒れていたというセツコは、この屋敷の主人に招かれたのだという。
そして名前以外の記憶を失っていた。しかしこの街では、そうした者が集っているらしい。セツコもまた、その一人であった。
|
|
|
■自分が何者で、何をしなければならないのか? それがわからない。ただ、セツコの中に仲間というものの大切さが根付いていた。
だから、主人であるロジャー氏を探すドロシーに同行した。そして、なぜかはわからないが、彼女の事を”チーフ”と呼ぶ。
どうしてそう呼びたいのかはわからない。しかし、先輩となる人物をそう呼ぶべきという気持ちが、セツコの中にはあった。
それを思うと胸が締め付けられる…。
|
|
|
■ロジャー氏の捜索の果てに、出没した謎の包帯男。…それは敵。
戦わなければならないというのに、セツコはバルゴラを見ても、その記憶を取り戻すことができない。しかし包帯男の言葉により思いとどまる。
どんなに悲しくとも、辛くとも、忘れてはいけない事がある。忘れてしまえば、それは自分達……グローリー・スターを失う事となるから。
現実から目を反らしてはいけない。誇りを失うわけにはいかない。だから彼女は、自力で記憶を取り戻し、敵へと向かう。
|
|
|
■記憶を取り戻したセツコ。彼女は今、一人で世界を巡っている。
生き別れたトビー中尉を…、仲間を探しバルゴラを完成させる。それが自分の生きる意味だという信念を宿しているから。
ブレイク・ザ・ワールドという現象により混在する世界は、様々な事情と複雑な状況下にあった。
そんな中で、とある街にたどり着いたセツコには、悩める少年へと向ける笑顔があった。
気弱で引っ込み思案なセツコ。…でも、ほんの少し強くなれたのかもしれない。
|
|
|
■新連邦政府との戦いを経て、再び共闘する事となったエゥーゴ。過去の経緯はどうあれ、この世界においては数少ない味方でもある。
彼らはデンゼルの死を悼んでくれるし、彼女の身の安全をも案じてくれる。だから、ティターンズの敵となったセツコに同行しないかと誘ってくれた。
しかし、セツコには目的があった。トビーの捜索、そしてバルゴラの完成のためその申し出を受ける事はできなかった。
|
|
|
■アーガマに同乗して、太平洋上に浮かぶ都市トリニティシティへ、そして北アメリアへ。様々な仲間と出会い…、別れ…、勇気を貰いながら、トビーを探し各地を転々とする。
だが、多元世界はいつも、戦闘に見舞われていた。多くの敵と敵対する勢力。旅が続く中で、世界を取り巻く情勢は悪化の一途をたどっているようである。
セツコはそういった空気を肌で感じながら、今日も孤独な旅を続けていた…。
|
|
|
■旅の途中、エマーンの開く交易所、バザーへと顔を出したセツコだったが、チラム軍の”特異点”捜索に彼女自身が反応を示してしまう。
もちろん何のことか理解できず、反論するセツコではあったが、あくまで強硬な態度で捕縛しようとする軍。
だが、前に軌道エレベータの防衛にあたっていた桂と出会い、その場から退散する事ができた。
しかし、自分が特異点……、という自覚もない。彼らの言う真実とは…。
|
|
|
■だが、チラム軍の追跡は執拗だった。セツコ達はやむなく応戦するものの、チラムだけではなく、異星人軍や、正体不明の生物までも攻撃を仕掛けてくる。
だが、気弱なままのセツコではない。グローリー・スターの一員として、心が強くなったセツコは、ひるむことなく戦いを続ける。
だが、その真っ只中で、ガナリー・カーバーにトラブルが…。
|
|
|
■それと同時に、まるで狙い澄ませたかのように姿を現すアサキム。チーフを、デンゼル大尉を殺した男だ。
セツコは怒りに任せ、乱戦の中をバルゴラで突っ切る。そして、その男へと対峙した。
だが、アサキムは言うのだ。
「君に求めるものはそれじゃない。身を焦がすんだ、甘美な絶望に…。」
そしてバルゴラに痛手を負わせる。セツコは何をする事なく行動不能に陥る!
|
|
|
■一瞬にして立ち向かう術を失った彼女の前に、彼が現れる。セツコが探していた、ずっとずっと探していた仲間、グローリー・スターの一員。トビー・ワトソン。
「中尉! トビー中尉なんですね!?」
未だ、夢うつつの中にあるようなセツコ、彼女はそれが現実である事を確かめるために叫んだ。
そして彼は笑顔で答えるのだ。
「…俺の背中の星がみえないのか、セツコ。お前も背負っているグローリー・スターがよ!」
|
|
|
■トビーはこの多元世界に飛ばされてから、ずっとアサキムを追っていた。もちろんセツコの事を忘れたわけではない。大切な仲間として探してもいた。
…しかし、こいつだけは許せなかった。
セツコよりもずっと長く、デンゼルと共にグローリー・スターであり続けたトビー。尊敬すべき上司を、信頼の置ける戦友を殺された。
その怒りの矛先を、このアサキムという敵へ向け、叩きつけるために来たのだ。
|
|
|
■アサキムとの激闘。しかも味方より離れた位置にいる事で、誰も助けには来てくれない。
トビーとセツコ、たった二人だけでこの強敵、漆黒を駆る男アサキムを倒さなければならない。
トビーは叫ぶ。ドサクサ紛れでなければ、チーフもやられなかった! いまの俺達の任務は、お前を倒す事だ!…と。
デンゼル大尉への弔いを…。それが、いまのグローリー・スターに課せられた使命でもあった。
|
|
|
■圧倒的な戦闘能力の差。トビーもバルゴラの能力を引き出して戦ってはいたが、それでもアサキムの力は強大だった。
それでも立ち向かい、なんとか追い払う事に成功したセツコ達ではあったが、アサキムはまた、何か含みのある言葉を言い残す。
「今は、同胞との再会を喜ぶがいい。」
妙にひっかかる言い方。一体なぜ奴はグローリー・スターを狙うというのだろうか? …何も、わからない…。
|
|